RT9K/9の現状と今後
JA2のOMさんが中日新聞に掲載されました「特派員メモ」という記事の中の「北極圏で転んでも」というタイトルの新聞記事を送ってくれました。場所はノルウェー領の北緯79度のスピッツベルゲン島での取材です。ロシア人がたくさん住んでいるそうで3月の出来事のレポートでした。要点のみご報告します。
①主な移動手段はスノーモービルで最長12時間走行。
②ロシア人ガイドは初めての人にも気軽に乗せる。
③時速50km/hで最初はたいへん難しい。平らに見える雪上は凸凹でまっすぐ走るのも難しい。
④体感温度は零下30度以下。
⑤ロシア人観光グループは悪天候のために転倒が相次いだ。
記事自体はさらに進みますが、スノーモービルに関してはこんな感じの内容でした。
まるで昔の自転車の乗り方の練習を思い出しました。しかし、転倒の迫力は50km/hですからかなり違うと思います。
RT9K/9チームはUA9KDFの住むTarko-Saleからスタートしました。そこは北緯64度です。ちなみに札幌が北緯44度、福岡は33度。北緯64度はカムチャッカ半島の付け根あたりまで北上します。ここから2月14日にスタートして2000kmの旅にスノーモービルにてでかけました。
2000km÷50km/h=40時間の1.67日の単純計算ですが、現実には直線で950km離れたAS-005 Dickson IslandのみのQRVで終わりました。しかも1か月近くかかってしまいました。その原因はつぎのとおりです。
①スノーモービルに牽引車を付けて荷物を搭載した。減速の大きな要因です。
②スピッツベルゲン島でも凸凹があるが、本土側は障害物なども多かったと推測できる。
③3チームが合流するために待ち合わせの日にちを要した。
④複数台のスノーモービルに1台でも故障がでると全体が遅延した。
以上の理由で北極海の氷が解け始め、リターンが不可能となり断念しました。
現在、UA9KDFは2017年9月実施のRI1F EU-190の運用準備に入りました。QRZ.comのRI1Fに詳細が掲載されています。17名の参加メンバーが掲載され、その中に5名の「RUSARC AURORA」と摘要に書かれたメンバーがいます。Rusarcという北極海ツアーグループのAurora号という意味のようです。
1年以上の延期になりそうですが、AS-054、AS-121、AS104、AS-068へのペディションは2018年夏になるものと思います。
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